曜日違いの製品にオマージュを捧げる、ユニークな模倣品として生まれた「F52 MIAMI VICE」。90年代当時まだ新聞を読めなかった方、あるいはスイスの大手スーパー「Migros」の名前を聞いたことがないという方のために、このバッグの誕生秘話をお話ししましょう。

まずは1996年に時間を巻き戻しましょう。それは、FREITAGが誕生してからまだ3年しか経っていなかったころ。当時、すでにFREITAGバッグはドイツでも買うことができました。きちんとしたウェブサイトもあり、バッグのモデルもすでに何種類か揃っていました。ただ、製品はどれも似たようなものばかり。違うのはサイズだけ。Daniel & Markus Freitagは、使い古しのトラックの幌でこれまでとは違う新しい製品を作りたいと思うようになりました。

ある日、MarkusがMigros(スイスの2大スーパーのひとつ)に買い物に出かけた時のこと。突然、FREITAGバッグが危機にさらされていることを知りました。なんとスーパーの棚に並んでいたのは、見覚えのあるバッグ。

そのバッグにあしらわれているのは、Donnerstagロゴ(Donnerstagはドイツ語で木曜日という意味で、本家Freitagは金曜日という意味)。一点物どころか全てが同じブルーの色味。さらに、リサイクルどころか中国製ではありませんか。

«よくもこんなことを…»«DonnerstagバッグはFREITAGバッグの終焉を意味しているのだろうか?»そんな不安が、フライターグ兄弟と(当時まだ少人数だった)F-Crewの頭をよぎりました。

«FREITAGの第二のアイコンバッグ「F52 MIAMI VICE」は、初代アイコンバッグの偽造品をコピーしたバッグというわけです。»

パクリ製品に着想を得たユニークなバッグ

幸いにも、大きな裁判を行う必要もなく、またDonnerstagバッグの登場によってFREITAGバッグがこの世から消えることもありませんでした。F-an(FREITAGバッグのファン)やF-riendの皆さん、さらにはマスコミまでもがFREITAGを応援してくれたおかげで、MigrosはDonnerstagバッグの販売を停止し、今後一切曜日を使った名前の製品を販売しないと約束してくれました。

ところで、このストーリーは「F52 MIAMI VICE」とどう関係しているのでしょう?実はこの一件を経て、DanielとMarkusは大手小売会社が作った、まったくサステナブルではない紙のバッグにインスピレーションを得た新しいバッグを生み出しました。典型的なスイスの買い物袋を模倣したコピー製品です(この場合、コピーではなく“解釈”と言うべきでしょうか)。それが、リサイクル素材で作られたユニークで丈夫な何度でも使用できるバッグ。これがFREITAG流の復讐なのでした。 

FREITAGの第二のアイコンバッグ「F52 MIAMI VICE」は、初代アイコンバッグの偽造品をコピーしたバッグというわけです。FREITAGらしいウィットに富んだ復讐によって生まれたバッグ。その生産量は年間30,000個を超えますが、製品仕様は当時のまま変わりません。それは、“シンプルでパワフル、そしてダサかっこいい”こと。 

SHOP YOUR TARP SHOPPER HERE